渡部総合法律事務所

弁護士

わたなべ くにあき

渡部邦昭

所長 弁護士

私は、団塊の世代に生まれ、
40年広島市で弁護士をしています。
ご挨拶と自己紹介を兼ねて、
常日頃思ったことを載せたいと思います。

1. 生まれた時代
私は宇品地区(広島市南区)に生まれました。幼少期のときは、いまだ戦後の臭いのする時代でした。宇品東小学校の裏手には古小屋があり、火事に見舞われたこともありました。 学校の南側の水路の向こう側は競輪場で授業中に競技の状況をかいま見ることができました。この時代は世間は貧しく、失対事業に依存して生活している人も多くおられました。そして、マンモス学級の中で育てられてきました。
2. 素直になれなくて
学校の勉強というものに興味をもてなかった自分が印象に残っています。 「何故こんなことを覚えるのか」と疑問におもいながらやってきたので、成績はあまりよくなかったように記憶しています。 ただ、何かにつけ疑問をもつ姿勢が自分を法曹への道へと誘ったのかもしれません。
3. その道より我を生かす道なし、この道を歩く
広島県立広島皆実高等学校のときに東京オリンピックが開催され、日本は高度成長へまっしぐらの時代でした。3年生のときに担任していただいた吉田文一先生は、「与えられたステージでがんばれば、志さえあれば道は開けるから」と励まして送りだしてくれました。 日本大学法学部に進学して、2年生のころから、いわゆる日大闘争があり、大学は騒然とした時代でした。そうこうしているうちに、卒業の時期も迫ってきたのですが、ゼミの高梨公之先生(民法)は、あなた方には充分な勉学の機会を与えることができずに申し訳なかった、といわれました。 大学で右往左往している時期に、日大法学部に司法科研究室というのがあって、入室試験が掲示されていました。 「このまま卒業しても」という気持ちがあり、もともと法曹への道に興味と関心はあったので、就職はせず入室試験をうけることにしました。 これが人生の大きな転機となりました。
4. 恩師・先輩・友人との出会い
司法科研究室に刑法の受験指導に来られていた谷口正孝先生(当時は東京高裁判事、後に最高裁判事)との出会いは強烈でした。 一次元から一挙に三次元のステージに引きずりあげてくれたようでした。 以後、何年間か勉強して司法試験に通ったわけですが、その期間、司法科研究室の先輩や友人と出会い、以来現在まで兄弟のようなおつきあいをさせてもらっています。 私にとって、かけがえのない時期であったといえるかもしれません。
5. 郷里に還って
京都で司法修習を受けて、大阪で少しだけ弁護士をしましたが、以降は郷里の広島市で弁護士をしています。 広島で弁護士を始めて、ある刑事事件の記録を読んで、同じ出身中学の渡世人の被告人がいた、と判ったときには驚いたことがあります。 「人生様々」ということを感じたものです。 最近ローマ人の物語を完結された作家の塩野七生さんが、「人間とは善悪を併せ持つ存在である」といわれています。 「善悪」どちらの道にも通じているが、どちらの道を歩むかは意志の問題でしょう。さらに、遡れば教育の問題でしょう。いろいろ考えることはあります。
6. 日本国憲法とともに
今年は日本国憲法が71年をむかえます。 自分史と重なっているということは何となく責任を感じないわけではなく、憲法が今のままがよいのか、あるいは改正した方がよいのか、皆さんに真剣に考えてもらう時期にきているようです。 「武士道」を書いた新渡戸稲造は国際連盟の事務局次長の体験からアメリカとの戦争は回避しなければならないと考え、そのために尽力されたようですが、歴史の流れは逆になりました。 温故知新。 日本は世界から孤立してはならないということでしょう。 今の日本がおかれている状況は、北朝鮮問題をみていると困難な方にむかっていることは確かなようです。 米国の次期大統領にドナルド・トランプ氏が選ばれたことは大変な衝撃です。ちょっとしたハンドルの切り間違いが日本を大破綻状態に追い込んでしまうことになるかもしれません。 70数年前のように。誤ちは決して繰り返してはなりません。
7. 弁護士という職業とは
かつて野村克也監督が「生涯一捕手」ということを言われていました。弁護士の職業にぴったりするかもしれません。弁護士になりたてのころは刑事事件を多く担当しました。数多く担当する中で重大事件で無罪判決を勝ち取ったこともあります。 弁護士生活を重ねてゆくうちに、民事・商事事件を数多く手掛けることになりました。会社法事件は、商法・会社法の知見は勿論ですが、中小企業では相続法の知識も必要となります。 戦国時代劇さながらの跡目争いが、法律を介して闘わされることになるからです。会社法と相続法にからんだ事案を10年以上の時間を費やしてようやく解決したこともあります。

会社の倒産事件では、お世話した会社が和議法(民事再生法のが制定される前の法律)に基づいて再建され、その後立派に再生し、確固たる基盤を築かれ、日々アクティブに活躍されている会社があります。 お役に立てたことを、今でもうれしく思っています。また、長年顧問をさせていただいた会社が上場を果たされたこともあります。 民事事件では、建築紛争や交通事故事件も多く手掛けてきました。土地や建物の「瑕疵(かし)」(民法634条)をめぐっての建築紛争は主張立証責任に厳しく果たすことが求められます。医療紛争と並んで専門的知見が求められる分野です。

弁護士になって数年間勤務弁護士として力を貯えてきたのですが、その時期に指導をうけた弁護士開原真弓先生の影響で、労働事件に深くかかわるようになりました。労働事件や労働災害事件は、生活の糧や命の代償をめぐっての事件なので、裁判で厳しく対立することになります。そのため、訴訟準備に後れを取ることはできません。従って、事案を事実と証拠ならびに法律の両面からよく勉強しておくことが必要です。

世の中はハードからソフトへと急激に移り変わっています。これから、弁護士も知的財産権にも関心をもっていくようになるでしょう。現在、私の法律事務所では、息子と共同でやっていますが、若い弁護士には新しい分野にもチャレンジするよう指導しています。いずれにしても、弁護士は自由業で生涯現役です。 健康の許す限り挑戦し続けてゆきますし、「学び続ける気持ちを忘れずに」頑張ってゆきたいと思います。
8.多くの方々との出会いを大切に
当事務所には悩みを抱えた方が訪ねて来られますが、思いやりの心を忘れず接するように心掛けております。そして、誠心誠意ご相談にのり、対応させていただいております。(2016年11月記)

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